個人の実印と同じように、企業においては代表印を法務局に登録しなければなりません。会社を設立した時や代表取締役の変更時に登記を行います。これによって、印鑑証明書が発行されます。ちなみに、代表印は株式発行や会社で重要な契約を行う時に用いる印章です。登録できる印章は1〜3cm以内の正方形に納まるサイズと規定されています。

企業が銀行と取り引きをするために届け出を行った印章が法人銀行印です。小切手や手形の振り出しなどする時には、必ず必要となる印章です。財務全般に関わる印章であり、その重要性は代表印と同格といっても過言ではありません。使用する頻度も高く、代表印とは別に作成するのが安全です。

社印は個人の認印に相当する印章で、そのかたちから角印とも呼ばれています。請求書、領収書などをはじめ日常業務に頻繁に使用します。特に公官庁の書類には必要性を求められます。認印である点は、他の法人印とまったく同じです。取り扱いにも注意が必要です。

法人印は社会的な責任を負うものだけに、厳選した逸品を揃えるのが一般的です。また、保管に関しても十分な配慮が必要です。社内における取り扱い規定を設けている企業も多く、捺印者も代表印は社長、法人銀行印は財務責任者といった具合に明確にしておく方が無難です。万一、紛失したり盗難にあった場合は、直ちに登記先に通報し、印章の効力を無効にしなければなりません。